小児矯正にはさまざまなアプローチ方法があります。時々、小学1年生ぐらいでワイヤーを装着している子供を見かけますが、永久歯に生え変わったときのことを考えると、疑問を感じることがあります。乳歯を動かしたとしても、アゴは大きくならないため、中学生になるまでの間、横から歯が出る際に押され、動かした前歯が押されてしまいます。
当クリニックでも、子供の見た目を気にする保護者の方から「前歯にワイヤーを装着するのはいつ頃ですか?」と質問を受けることがあります。お気持ちはわかりますが、子供の成長を第一に考えると、小学生の間にきちんと歯の生えてくる土台を作っておくことが大切だと考えます。
■じっくり話してから最善の治療をします
当クリニックの小児矯正は、子供の成長を第一に考え、アゴの土台作りから始めます。アゴの成長をコントロールし、永久歯の生えてくる十分なスペースを確保するための治療を行うので、小学生のうちにワイヤーを装着する子供はほとんどいません。
小学生のうちからワイヤー矯正を始めると、確かに歯並びが整って見た目の問題が解消されます。しかし、歯をワイヤーで固定するとアゴの成長が止まり、永久歯が生え揃ってから八重歯になったり奥歯が倒れたりしてくるので、抜歯をして矯正するようになってしまいます。
一時的に歯並びが整うだけでは根本的な解決にはなりません。治療を進めるには、子供の先々まで考え、今どんな治療が必要なのかをきちんと説明し、理解していただくことが大切だと考えています。